街頭を埋め尽くした、ソレイマニ少将を追悼する群衆。イラン政府は求心力維持のため反米感情を利用している(The New York Times/Redux/アフロ)

ついに米国とイランが全面衝突か──。1月3日に米軍が実施した、イラン革命防衛隊のソレイマニ少将の殺害は、世界に衝撃を走らせた。

1月8日にイランが弾道ミサイルによる報復攻撃を行ったのに対し、米国が再報復をしなかったことで、ひとまず事態は沈静化したように見える。安堵感の広がりを受け、米国の株価は同9日に最高値を更新した。

しかし、両国の対立は依然続いている。米国はイランを核兵器開発の中止に追い込むため、経済制裁をさらに強化。イランでは革命防衛隊の誤射による旅客機撃墜に関して大規模な抗議デモが発生したが、背景には市民生活の窮乏化とイスラム共和制政府への不満があるとみられる。

中東情勢が流動化する中で、注視するべき事態の本質とは何か。国際政治からイラン経済まで、日本屈指のプロに見立てを聞いた。