なかぞら・まな 1991年慶応義塾大学経済学部卒業、野村総合研究所に入社。97年野村アセットマネジメントでクレジットアナリストに。社債や国債を分析。モルガン・スタンレー証券、JPモルガン証券を経て、2008年10月からBNPパリバ証券クレジット調査部長。11年から現職。(撮影:尾形文繁)

欧州ではマイナス金利政策が6年目に入った。粗利益の圧縮が続き、欧州金融機関の収益性が懸念されている。この点は、日本でもマイナス金利政策が実施されているので理解しやすい。

一方、EU(欧州連合)は不良債権を削減するための行動計画を進めており、金融機関の不良債権比率は全体として、2015年第1四半期末の6.2%から19年第3四半期末には2.9%まで低下した。バランスシートの改善が進み、クレジット(信用力)は安定しており、欧州金融システムに大きな不安はないという大方の見通しは正しい。

しかしなお、注意が必要であろう。2点指摘したい。

第1に、欧州主要国においても中小金融機関の不良債権処理は不十分であり、リスクが顕在化してくる可能性があること。第2に、改善途上であるとはいえ、不動産向けの不良債権比率が高く、金利上昇には脆弱であることだ。