みやした・いさお 1968年生まれ。90年、京都大学農学部卒業、三菱商事入社。2002年フードリンク取締役、03年ジャパンファーム取締役を経て07年米久執行役員。13年同社長。16年4月より現職。(撮影:吉濱篤志)
中国でのASF(アフリカ豚コレラ)の蔓延や国内でのCSF(豚コレラ)の発生、そしてTPP(環太平洋経済連携協定)など貿易自由化の流れによって環境が大きく変化する食肉業界。国内食肉・加工品大手の伊藤ハム米久ホールディングスの宮下功社長に、環境激変の影響や今後の経営戦略について聞いた。 

──ASFが食肉需給に大きな影響を与えています。

中国の豚肉の生産量は世界の約半分を占めるが、ASFで約40%減少した。つまり世界の豚肉生産の2割が過去1年で減った。中国の生産減と輸入増は国際価格の高騰を招き、需要シフトを通じて牛肉や鶏肉にも影響が波及している。中国政府による豚肉の備蓄放出で需給はやや緩和したが、国際価格は高水準での動きが続きそうだ。

日本国内の豚肉価格についても国際価格につられて高止まりしている。CSFは国内生産頭数の1%強であり、影響は限定的。ワクチン接種開始や防疫体制強化で感染拡大も食い止められている。

──万一、国内でASFが発生した場合、影響はどうなりますか。