ささき・とおる 2015年6月から現職。03年4月からJPモルガン・チェース銀行でFXストラテジストとして金融市場を調査・分析。その前は日本銀行に勤務、調査統計局などを経て、国際局(当時)為替課で為替市場介入を担当、ニューヨークで米国金融市場分析も担当した。(撮影:今 祥雄)

2019年中のドル円相場は104.10〜112.40円の狭いレンジ内での動きにとどまった。レンジの幅は7.6%で、これは1980年以降で見て最小である。また、3年連続で10%以内にとどまる結果となった。過去3年間、ドル円相場は105〜115円のレンジをほぼ外れていない。

80年以降アベノミクス開始までを見ると、ドル円相場のレンジが10%以内であった年は83年と06年の2回しかない。アベノミクス開始後のレンジは、15年に10%以内となった後、16年は20%弱となったが、その後17年、18年、19年と連続で10%以内の小動きに戻ってしまった。

為替相場の変動は2つの通貨の変動が重なって発生する。ドル円相場のレンジが小幅にとどまっている理由の1つとして、円の動きが小さくなっていることが重要である。複数の通貨間での強弱を見る名目実効レートで見て、円の年間変化率(絶対値)の3年平均は3.8%で、データが取れる97年以降で最小となっている。