改正外為法は、上場企業へのプラスになる株主提案まで過度に抑制することにならないか、日本売りにつながらないかと株式市場関係者は気をもんでいる

4月末ごろに予定される改正外為法の施行に海外投資家から疑念が噴出し、企業に波紋を投げかけている。海外投資家が売買高の7割、保有高の3割を占める国内株市場の波乱要因となる可能性もある。

現行法では、武器や原子力、航空宇宙など「国の安全等を損なうおそれのある業種(指定業種)」の上場株式を外国投資家が10%以上取得する場合、事前届け出を義務づけ、政府の審査対象としている。改正法は、その基準を1%とし、事実上の規制強化を行う。

1%というのは、会社法上の株主総会における議題提案権の基準。つまり、外国投資家が指定業種の株主提案権を得る際には、日本の安全保障を損なわないか事前審査を行うということだ。すでに1%以上保有している投資家は、追加保有の際に審査対象となる。

背景には技術覇権を懸けた米中対立がある。その引き金が、2017年6月に中国が施行した「国家情報法」。あらゆる国民と組織に国家の情報活動への協力を義務づける同法に脅威を感じた米国は18年8月、「外国投資リスク審査近代化法」を制定。機微技術や情報に関連する対内直接投資管理を一段と強化した。

欧州でも近年、安保と一体の産業政策が推進され、対内投資の審査制度が強化されている。こうした中、「インテリジェンス機関のない日本が抜け穴にならないためには、外為法を通じた早急な対策強化が不可避だった」(経済産業省幹部)。