エリザベス・ウォーレン上院議員は労働者保護を強く訴えている(ロイター/アフロ)

好調な株価や歴史的な低失業率にだまされてはいけない。米国経済はどこか壊れている。経済の健全性を示す生産性の伸び率は記録的な低さで、中間層の生活水準を表す勤労所得の中央値も過去40年間ろくに上がっていない。格差は拡大し、企業の独占も強まった。問題がここまでひどくなったのは、政治家が安心しきって対策を怠ってきたからだ。

保守派は企業を優遇しさえすれば全体が潤うという「トリクルダウン理論」に今もしがみついているが、トリクルダウンは一般国民の所得拡大にはつながらない。対するリベラル陣営がこだわるのは所得再分配で、最近は富裕層課税や国民に現金を配るベーシックインカムのアイデアに飛びついている。とはいえ、歴史が示すように、再分配だけでは広く国民に富を行き渡らせることはできない。

富を広く行き渡らせるには普通、次の3つの政策が必要だ。まず、税・財政を通じた再分配。富裕層からの税収で公共サービスを提供し、貧困層に所得を移転する。次に、比較的賃金がよく、安定した雇用の創出。そのためには労働者を守る法律が欠かせない(でないと、低賃金で劣悪な仕事が増える)。