英オックスフォード大学教授 苅谷剛彦(かりや・たけひこ)1955年生まれ。米ノースウェスタン大学大学院博士課程修了、博士(社会学)。東京大学大学院教育学研究科助教授、同教授を経て2008年から現職。著書に『階層化日本と教育危機』『増補 教育の世紀:大衆教育社会の源流』『教育と平等』など。(撮影:尾形文繁)

間もなく「最後の」大学入試センター試験が始まる。2021年からは大学入学共通テストに切り替わるからだ。

だが、この切り替えに関しては多くの問題が指摘されている。英語の民間試験の導入については、萩生田光一文部科学相の「身の丈」発言がきっかけで延期となった。採点の民間委託を前提とした数学と国語の記述式問題についても、公正な採点の確保や、受験生による自己採点の難しさをめぐって疑問が噴出し、結局延期となった。

入試改革の迷走に対して、文科省の統治能力、あるいは首相官邸や民間企業との関係を問題視する向きがある。もっともな指摘だが、その根底にはさらに根深い問題がある。コスト(費用)の問題だ。