「このような相手(日立化成)が出てくるとは思っていなかった」と森川社長は買収を決めた背景を詳細に語った(撮影:梅谷秀司)
日立グループ「御三家」の一角、日立化成を昭和電工が買収する。総額1兆円近くに上る日本の化学業界にとって最大の大型買収だ。2020年2月に株式公開買い付けを実施し、完全子会社化。その後、23年をメドに両社を統合し一つの会社にする予定だ。
TOB成立後の売上高は単純合算で1兆6000億円超となり、三菱ケミカルホールディングス、住友化学、旭化成に次ぐ国内4位の総合化学メーカーが誕生する。昭和電工の森川宏平社長はインタビューで、今回の買収について、「日立化成でなければ手を出さなかった」と語った。

 

――日本の化学業界で過去最大の買収(総額9640億円)となります。日立化成の買収は以前から考えていたのでしょうか。

もっと小規模な買収案件についてはいろいろと調査していた。だが、このような相手(日立化成)が市場に出てくることは想定していなかった。いくつか候補を検討していくなかで日立化成の話が出てきた。

これほどの規模の買収は日立化成でなければおそらく手を出していなかった。また、もし海外の会社であれば買収していない。海外の会社は子会社化してもそれまでの事業構造で独立に経営を続ける形になってしまう。国内の会社であればこそ一体化しやすい。この買収は最初こそ子会社化だが実際は合併だ。

チャンスはすべての条件がそろったときしか訪れない。しかもそれに対して準備をしていないとつかめない。一つ一つの事業をどうやったら強くできるかと買収を模索してきたし、われわれがどういう方向で成長していくかも社内で共有してきた。

すべてが整っていたので後は決断するだけの状況にできた。まさにベストのタイミングだった。