有料会員限定

今変わらなければ“突然死"も、ニッポンの病院の正念場 「424病院」公表の副作用

✎ 1〜 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 最新
拡大
縮小
医師の長時間労働は、医療の質の低下を招く(Michael H)

特集「病院が壊れる」の他の記事を読む

長年通い慣れていた病院が突然なくなる。そんな日がいつ来てもおかしくないほど、病院を取り巻く環境は厳しい。

日本の病院数は2000年の9200超から、18年には8400弱へとこの間一貫して減り続けてきた。しかしそれでも人口当たりの病床数はドイツやフランス、米国など経済協力開発機構(OECD)加盟の先進諸国と比べ圧倒的に多い、「病院過剰国」だ。

一方、医師や看護師など医療スタッフは不足している。医師の絶対数は少なく、さらには診療科間での偏在がある。医学部の定員は増えたとはいえ、地方を中心に相変わらず医師不足にあえいでいる。

現場の医師には過重な労働がのしかかる。救命救急機能を有する病院の8割超は、週の勤務が80時間超の医師がいるとしている。

その一方で入院患者数そのものは大きく減っている。医療の高度化により入院日数が短くなっていることに加え、診療報酬が減額されるようになったことで長期入院が避けられているためとみられる。日本の人口はすでに15年から減少に転じており、今のままの病院数では、需給ギャップはますます開くことになるだろう。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
病院が壊れる
病床利用率の低下で危機に直面する
これから多発する地方の再編問題
インタビュー病院の未来1/慶応大学 教授 印南一路
ワーストは横浜市立脳卒中・神経脊椎センター
現地ルポ|地域医療の牙城を守れるか
インタビュー病院の未来2/日本病院会 会長 相澤孝夫
Part2 民間病院の危機|病院も経営力の時代
病院が壊れる
大病院さえ直面する非常事態
Part1 公立病院の苦悩|再編・統合が進まぬ現実
「424病院」公表の副作用
時代錯誤の「無償奉仕」が蔓延
インタビュー病院の未来3/日本医療法人協会 会長 加納繁照
1床=1500万円が目安だが潮目の変化も
架空の売却話も飛び交う
稼ぐ民間病院の実力!
都心ブランド病院の天国と地獄
インタビュー/厚生労働相 加藤勝信
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内