医師不足で経営難に陥った東松山市立市民病院。再編・統合が検討される

都内から電車で1時間弱の所に位置する埼玉県東松山市。東京のベッドタウンにもなっているこの街で、2つの病院が揺れている。東松山市立市民病院(114床)と東松山医師会が設立する東松山医師会病院(200床)が、厚生労働省が発表した、再編・統合を検討すべき病院の対象になったのだ。

下図のように、厚労省は公立・公的病院を対象にがんや心疾患などの高度医療について「診療実績が特に少ない」、または「近くに類似した機能の病院がある」を基準に分析した。2つの病院が対象になった理由は、病院同士の近さだ。人口9万人規模の東松山市だが、車で10分ほどの距離に総合病院が2つある。しかも複数の診療科が重複している。

再編対象リストが病院への予告なしに発表されたことで、名指しされた病院からは反発の声が上がっている。突然再編対象とされれば黙っていられないのは当然だが、市民病院の杉山聡院長からは「私としては納得した」と意外な答えが返ってきた。

「赤字が膨らみ、このままでは当院の経営を続けていくことは厳しい。同じような機能を持つ2つの病院が再編統合か役割分担を検討しなければ共倒れになり、東松山市の医療体制は崩れてしまう」

救急医療がもたない