昭和電工の森川社長は会見で買収の意義を強調。「3年以内に年間200億円のコスト削減効果がある」と語った

日立グループ「御三家」の一角、日立化成の売却先が決まった。投資ファンドなど複数社が買収に名乗りを上げたが、雇用維持などの条件面を理由に次々と断念。最後まで残って買収の権利を手にしたのは、昭和電工だった。

「当社の歴史上、この買収は大きな転換点だ」。12月18日の会見で森川宏平社長が語ったように、昭和電工にとって、今回の買収は社運を懸けたまさに一世一代の大勝負。何しろ、9640億円もの巨費を投じる大型買収なのだ(森川社長のインタビューはこちら)。

日立グループの頂点に立つ日立製作所は、IoTビジネスを将来の柱と位置づけ、同事業と関係が薄く利益率も低い子会社を次々に売却。10年前に20社以上あった上場子会社は4社(日立ハイテクノロジーズ、日立建機、日立金属、日立化成)に減り、この4社についても2021年度末までに結論を出すとしていた。

現在、日立は日立化成株の約51%を保有している。買い手に決まった昭和電工が20年2月からTOB(株式公開買い付け)を開始し、日立保有分を含む日立化成の全株式を取得して完全子会社化する。その後、23年をめどに両社を合併する。

昭和電工は1939年設立の総合化学メーカー。といっても化学業界では異色の存在で、石油化学や化学品だけでなく、カーボン、ハードディスク、アルミニウムなど、さまざまな非化学系事業も手がけている。