いんなみ・いちろ 1982年東大法学部卒、Ph.D.(米シカゴ大学経営大学院)。シカゴ大助教授などを経て現職。専門は医療福祉政策、意思決定論。(撮影:吉濱篤志)

毎年多額の補助金が投じられるにもかかわらず、多くの公立病院は赤字に沈んでいる。こうした赤字構造の背景には何があるのか。慶応大学の印南一路教授に聞いた。

──厚生労働省が全国424の公立病院、済生会や日本赤十字などの公的病院を指名する形で再編・統合の議論を促したところ、首長や病院長から反発が相次いでいます。

今回、公立・公的病院名を公開したことはむしろ当然だった。本来は自治体が主体的に、医療提供体制を描く「地域医療構想」を2018年度中に策定すべきだったのに、多くの地域では適切なプランが提示されなかった。経済財政諮問会議でも委員が繰り返し進捗の遅れを指摘してきたが一向に改善されず、確信犯的な遅れだと感じた。

公立・公的病院名の個別開示ぐらいしないと、改革が進まないし国民の意識も変わらない。今後、民間病院も、地域医療構想の出来次第では病院名の公開が必要になるだろう。

──関係者からは病院は公共財との声が上がります。