岐路に立つ銀行|禁断の実に手を伸ばすか

各社ともコスト削減だけでなく、新しい収益柱の確立が急務(撮影:今井康一)

銀行口座にお金を預けるだけで手数料がかかる──。そんな未来が現実味を帯びている。

2019年12月、三菱UFJ銀行が2年間以上取引のない不稼働口座に年間1200円の口座管理手数料を課す検討をしていると報じられた。新規開設口座を対象に、20年後半にも導入する可能性がある。三菱UFJが導入を決めれば、ほかの銀行も追随必至だろう。

利用者からの反発が強く、これまで導入は見送られてきた。その“禁断の実”に手を伸ばさざるをえないほど銀行は追い込まれている。日本銀行の異次元緩和で貸出金利回りが低下。本業である預貸業務の収益は縮小が続く。人口減少で将来的な資金需要の伸びにも期待が持てない。国債の金利も低く、運用先は限られるうえ、日銀当座預金を増やせばマイナス金利がかかる。にもかかわらず、デジタル化への投資は避けられない。