こさか・たつろう 1953年生まれ。北海道大学農学部卒業。76年入社。2002年執行役員経営企画部長、12年社長COO(最高執行責任者)、18年3月から社長CEO(最高経営責任者)。(撮影:尾形文繁)
国内製薬大手の一角である中外製薬は、世界首位のスイス・ロシュ傘下で成長を続ける。中長期の成長エンジンである研究開発の成果などを両社で共有し、血友病向けなど大型の新薬をコンスタントに投入している。競争激化が想定される今後の業界の動きを、どう読むのか。

──製薬業界にとって2019年はどのような年でしたか。

勝ち組と負け組がはっきり分かれた1年だった。足元の各社の業績を見てもその傾向は顕著だ。薬価の引き下げという逆風は強まり続けていて、とくに中堅メーカーは苦しい状況に置かれている。

今は業績がいい大手でも、画期的な新薬を生み出し続けられなければ生き残ることはできない。不可欠なのは会社の規模だ。1つの新薬を生み出すのに、26億ドルもの研究開発費がかかるといわれる。このコストを吸収するために、ある程度の経営規模が必要になる。

武田薬品工業のような超大型買収が必要になるかもしれないし、当社のように世界大手企業との提携が必要になるかもしれない。少なくとも、自前主義では変化のスピードに対応できなくなる。

──20年は業界再編の動きが活発化するのでしょうか。