うおたに・まさひこ 1954年生まれ。同志社大学卒業。日本コカ・コーラ代表取締役会長を経て、2013年にマーケティング統括顧問として資生堂に入社。14年から現職。(撮影:尾形文繁)
中国人を中心としたインバウンド需要の拡大で、近年成長を続けてきた化粧品業界。だが2019年1月に中国で転売業者への取り締まりが強化され、各化粧品メーカーは大打撃を受けた。インバウンド消費の行方や海外戦略など、今後の展望を聞いた。
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──資生堂の19年度第3四半期(19年1月から9月期)はインバウンド売り上げが前年比5%増と堅調でしたが、転売業者への売り上げは10%減でした。20年の化粧品のインバウンド需要をどう見通していますか。

転売業者が化粧品を大量購入する行動は長くは続かず、その動きは、いつか収まると思っていた。

一方で、一般旅行客向けの売り上げは増えている。当社は中国のEC(ネット通販)モールに出店しているが、その売り上げも好調だ。消費者は愛用している化粧品をすぐに変えることはない。そこは化粧品業態の強みでもある。また、転売業者の購買が減った分、百貨店やドラッグストアなど店舗での混雑が解消し、国内のお客さまも化粧品を購入しやすくなった。美容部員は、より丁寧な接客ができるようになった。

──日本メーカーの化粧品に対する中国人の購買意欲は、減退していないのでしょうか。