かきぎ・こうじ 1953年生まれ。77年東京大学経済学部卒業、川崎製鉄(2003年にNKKと統合しJFEスチール)入社。15年JFEスチール社長、19年から現職。(撮影:尾形文繁)
鉄鋼不況が再び襲ってきた。JFEホールディングス(HD)は鉄鋼事業の2020年3月期の営業利益はゼロと予想する。下期だけで見ると赤字だ。同業の日本製鉄も単独では赤字。日本の鉄鋼メーカーに活路はあるのか。

──鉄鋼事業の収益が悪化しています。

とくに第2四半期以降に世界的に需要が弱くなった。にもかかわらず、原材料となる鉄鉱石の価格は高い。世界の鉄鋼生産の5割を占める中国で景気対策の公共投資によって鉄鋼生産量が過去最高となり、鉄鉱石の需給が緩まない。自社で鉱山を持つロシアやトルコ、自国の経済が低迷するインドのメーカーが輸出に走ったことで鉄鋼製品の市況が大きく下がった。

──20年の見通しは。

多少回復が見込める程度で、厳しい状況がニューノーマル(新常態)になる。

──どう対応しますか。

技術開発に注力して高機能品を強化する。ただ高機能品だけではダメで、ボリュームゾーンでの競争力も高めていく。鉄鋼業は装置産業なので工場の操業安定化は欠かせないが、日本の設備は老朽化しており、技能伝承にも課題がある。AIやデータサイエンスも活用して設備トラブル時の停止時間を少しでも短くする。

──AIやデータサイエンスでは人材獲得が熾烈です。