たかむら・かおる 1953年生まれ。90年『黄金を抱いて翔ベ』で日本推理サスペンス大賞を受賞しデビュー。『マークスの山』で直木賞。『土の記』で野間文芸賞、大佛次郎賞、毎日芸術賞を受賞。(撮影:尾形文繁)

『マークスの山』『レディ・ジョーカー』など、重厚なサスペンス小説を通じて、日本社会を描いてきたのが髙村薫氏である。小説界きっての論客に聞く、この国の行方。

──この1年の印象は?

世界は決して平穏ではない。しかし、この国は何ら主体的な行動を起こせていない。いつでも振り回されるだけ、米国の言いなりになるだけ。そういうスタンスが顕著になった1年です。もともとそうでしたが、抜き差しならない段階です。