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貧しさを直視して小さな国として生きる 社会1|Interview|作家 髙村 薫

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たかむら・かおる 1953年生まれ。90年『黄金を抱いて翔ベ』で日本推理サスペンス大賞を受賞しデビュー。『マークスの山』で直木賞。『土の記』で野間文芸賞、大佛次郎賞、毎日芸術賞を受賞。(撮影:尾形文繁)

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『マークスの山』『レディ・ジョーカー』など、重厚なサスペンス小説を通じて、日本社会を描いてきたのが髙村薫氏である。小説界きっての論客に聞く、この国の行方。

──この1年の印象は?

世界は決して平穏ではない。しかし、この国は何ら主体的な行動を起こせていない。いつでも振り回されるだけ、米国の言いなりになるだけ。そういうスタンスが顕著になった1年です。もともとそうでしたが、抜き差しならない段階です。

日本という国の立ち位置を示そうと思えば、最低限、核兵器禁止条約に参加するぐらいのことはしないと。世界の中で日本はどこにいる?という感じですよ。環境問題でも日本は影も形もない。世界の中での役割に目が向いていない。

損害を被るのは国民です。与党ではなく、野党ならできるのか、それもできませんけど。正直、選択肢がない。けれども現状を肯定していては、いつまでも変わらない。いったんこの現状にノーと言って、ゼロから手探りで新しい方向を探していきませんと。

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