解散・総選挙を視野に入れる自民党執行部。岸田文雄政調会長(手前右端)への“禅譲”の可能性も(毎日新聞社/アフロ)

2020年は安倍晋三首相にとって正念場の年となる。19年11月20日に首相在職最長となった首相だが、残り1年9カ月の任期(自民党総裁)の締めくくり方を左右するからだ。一部で「4選論」も浮上する中、衆議院解散・総選挙のタイミングとポスト安倍レースが複雑に絡み合うだけに、20年の政局はまさに「一寸先は闇」の展開となりそうだ。

首相の自民党総裁としての任期切れは21年9月30日。現在の衆議院議員の任期はその3週間後の10月21日までだ。このため、途中退陣や任期満了選挙を選択しない限り、21年夏までの解散断行が必然となる。17年10月の前回衆院選からすでに2年2カ月。「今後は解散時期とその結果で、史上最長首相の歴史的評価が定まる」(自民幹部)ことは間違いない。

首相はこれまで、「意図的に解散風を吹かせることで、政局運営の主導権を維持してきた」(閣僚経験者)。19年前半には7月の参議院選に合わせて衆参同日選断行を匂わせ、選挙準備が遅れている野党側をおびえさせることで通常国会終盤の与野党攻防を制した。臨時国会でも首相周辺が「11月20日解散」説を流し、主要2閣僚連続辞任などでの野党の攻勢に対抗。さらに、「桜を見る会」の私物化疑惑で追い込まれると、年明けの“桜解散”説で牽制している。

立憲民主、国民民主など主要野党は臨時国会前に統一会派を結成したが、旧民進党分裂の際の後遺症もあって巨大与党と対峙する新党づくりは難航。立憲と国民民主などの合流協議も一気に進む状況ではない。だからこそ、首相は早期解散説で揺さぶりをかけるのだ。