ポピュリズムが広がると金融緩和や財政出動が安易に行われやすい(AFP/アフロ)

2019年の金融市場を象徴する言葉は「不確実性」だった。株式市場はエコノミストの景気予測よりもトランプ米大統領のツイートに一喜一憂した。株価が下がれば「米中合意が近い」となだめ、株価が高ければ中国に脅しをかける──。大統領選挙に向けて米国民の注目を集める戦術だ。

19年も押し詰まった12月12日、米中はとりあえず貿易交渉で第1弾の合意をまとめ、15日の追加関税は回避された。同じ12日に英国でジョンソン首相率いる保守党が圧勝し、20年1月末の「合意のある」EU(欧州連合)離脱が確定的となった。これらを材料に、NYダウは2万8000ドル台に再挑戦、日経平均株価も2万4050円と年初来高値を更新した。

市場のうたげはいつまで続くのか。

景気停滞で低金利脱せず

足元で株価を押し上げているのは超金融緩和によるカネ余りだ。16年末から18年末まで利上げを続けたFRB(米連邦準備制度理事会)が、姿勢を転じて19年7月以降、3回も利下げした(図1)。

グローバルな半導体需要の減少と自動車販売の減速で生産が縮小、製造業の不況感が強まる中、景気後退を回避するための「予防的利下げ」と説明された。だが、物価上昇力こそ弱いものの、失業率が3.5%とほぼ完全雇用下での利下げに、「トランプ大統領の圧力に屈した」との批判も高まった。ともかく、18年には資金流出に見舞われた新興国も利下げに転じ(図2)、一息ついた格好だ。