ふくだ・なおひさ 1962年生まれ。東京大学文学部卒業、米ダートマス大学経営大学院(MBA)修了。アップルコンピュータ米国本社副社長などを経て2015年6月から現職。
政府が通信業界における競争活性化の起爆剤と期待するのが格安スマートフォンだ。キャリアから通信回線を借りる格安スマホは、音声(通話)の卸値の高さに苦しんできた。しかし、卸値は2020年内にも引き下げられるとの期待が高まっている。

──日本通信を含む格安スマホの利用者は徐々に増えています。しかし市場シェアはまだ1割強にすぎません。キャリアとの差は大きいままです。

(通話向けの)音声の卸値が高く、通話料金を安くできないことが、キャリアとの競争で大きなネックになっている。データ通信の卸値は総務省の基準によって、原価に限られた利潤を乗せた金額しか取られない。ただ音声の卸値ではキャリアから割高な言い値をのませられ続けている。それが料金の差に跳ね返っている。

──具体的にどれくらいの影響が出ていますか。

そもそもキャリアの音声の原価は大きく下がってきている。そのため彼らは5年ほど前、通話の定額制を導入できた。例えばNTTドコモでは今、月額1700円のかけ放題プランが主力だ。