すぎやま・たけし 1956年生まれ。79年名古屋大学工学部卒業後、三菱電機入社。2014年常務執行役、16年専務執行役、17年副社長。18年4月より現職。(撮影:尾形文繁)
FA(ファクトリーオートメーション)などに経営資源を集中し、リーマンショック後も赤字を出さずに電機業界の「優等生」と呼ばれてきた三菱電機。次の成長をどう描くのか。

──最近の業績は営業利益3000億円前後で足踏みしています。どう分析していますか。

足踏みしているのは、先行投資が売り上げや利益にまだつながっていないからだ。自動車の電動化に対応したインバーターやモーターの投資が重い。だが、将来伸びることは間違いない。投資回収に入るのは21年ごろだろう。(収益柱の)FAも足元は中国経済の影響を受け、停滞している。ただものづくりをもう一段高度化するためにFA機器を新しくする動きは根強い。踊り場を過ぎれば、堅調に伸びると考えている。

──10月に社長直轄で事業横断的な組織を立ち上げました。狙いは何ですか。

当社がリーマンショックで赤字にならなかった要因の1つが、事業や工場ごとに損益を管理する組織運営だったこと。ただ一方で、事業ごとの独立性が強く、せっかく持っている幅広い事業や技術の相乗効果を十分に生み出せていない。今はもっと大きい枠組みで社会のニーズを捉える必要がある。ビル事業では昇降機だけでなく、家電事業の空調や照明も一緒に提案し、ビル全体のマネジメントにつなげ始めているが、こうした事例を他の事業でも増やしていきたい。社長直轄にすることで、社員に対する、意識を変えようという大きなメッセージにもなる。