長らく続いた熱狂からさめる日が来るのか。

バイオベンチャーのファンペップは12月2日、同20日に予定していた東証マザーズへの新規株式公開(IPO)を延期する、と発表した。11月18日に東京証券取引所に上場が承認されてから、わずか2週間後に変心した理由は、「株式市場の動向」だった。

「相場に勢いがなく秋ごろから初値が上昇しづらくなっている」と指摘するのは、いちよし証券投資情報部の宇田川克己・銘柄情報課長。確かに、時価総額300億~500億円の大型案件となったChatwork(9月24日上場)やBASE(10月25日上場)は、初値が公募価格を下回る公募割れとなった。婦人靴の企画・販売を手がけるダブルエー(11月1日上場)も公募割れしている。

赤字先行で新薬を開発するバイオベンチャーにとって、IPOによる資金調達は命綱。8月9日上場のステムリムは、世界初の再生誘導医薬の開発で注目を集め、当初は時価総額1500億円規模の「ユニコーン」上場と期待された。

だが、1株3000円前後を予定していた公募価格は1000円に引き下げられ、調達金額は3分の1に減額。それでも公募割れとなってしまった。さらに厳しさを増す環境に鑑みて、ファンペップは上場を見送る決断をした。

[写真上]Chatworkの山本正喜CEO[写真下左]BASEの鶴岡裕太CEO[写真下右]ステムリムの岡島正恒社長(撮影:尾形文繁)

ユニコーンは1社のみ

足元は不透明さを増しているが、2019年のIPO企業数は86社と、前年比若干減で着地する見通し。一方で調達金額は約3200億円と縮小傾向が続く。