ベルリンの壁崩壊30周年を記念し今年再発売された、バーンスタイン指揮「第九」CDのジャケット

12月のクラシック界は年末恒例の「第九」(ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」)シーズン真っただ中だ。だが海外でも同様だと思ったら大間違い。これは日本独特なのだ。オーケストラのほかに4人の独唱歌手と合唱団まで必要とする「第九」は、規模の大きさもあってか、海外ではそう頻繁には演奏されない。しかしその華やかさと力強さから、祝祭的なイベントで演奏されることが非常に多い作品だ。

過去を振り返れば、ベートーヴェン(1770~1827)を尊敬していたワーグナー(1813~83)が、自らのオペラのみを上演するために建設した“聖地”バイロイト祝祭劇場の定礎記念公演(1872年)で、例外的に「第九」が演奏されたほか、第2次世界大戦後のバイロイト音楽祭再開記念公演(1951年)でも演奏されている。

さらには、大戦によって破壊されたオーストリアのシンボル、ウィーン国立歌劇場の復興記念コンサート(55年)や、同じく戦火によって焼け落ちたライプツィヒ・ゲヴァントハウスの復興記念公演(81年)で演奏されたのも「第九」だった。