巨額買収を重ねてきたソフトバンクグループ。財務リスクを指摘されるが、孫正義社長はつねに「保有株式価値」の大きさを強調する(撮影:尾形文繁)

どの業界でも事業の拡大に向けたM&A(合併・買収)が行われており、今や日本企業でも1000億円単位の買収は珍しくない。武田薬品工業のように、時には兆円単位のM&Aが出てくることもある。

買収した企業の純資産額よりも買収金額のほうが大きい場合、その差額は「超過収益力」を評価した金額と見なされる。会計上、超過収益力はまず無形固定資産に分類される。具体的には「ブランド」などの名称で、資産に計上される。具体的な名称がつかない分が「のれん」となる。

日本基準では20年以内で毎期償却するが、IFRS(国際会計基準)では償却しない。代わりに毎期末の「減損テスト」が義務づけられている。将来キャッシュフローを計算し、超過収益力が落ちていないかをテストする。落ちている分は減損損失となる。

自己資本の毀損リスク

本特集では、無形固定資産とのれんに繰延税金資産と繰延資産を加えたものを「疑似資産」と呼び、会計評論家の細野祐二氏の助言を得て独自に試算した。

その結果、疑似資産が自己資本を上回る会社は31社あった(下表)。無形資産やのれんの全額減損、さらに繰延税金資産の全額取り崩しなどがあった場合に、自己資本を大幅に毀損するリスクを抱えているといえるだろう。