ベルギー・ブリュッセルのEU本部。欧州の多くの人が、EUに関心を示さなくなっている(AP/アフロ)

欧州連合(EU)から新たな離脱案の合意を取り付けたジョンソン英首相だが、議会の承認を得るには12月12日の総選挙に勝利しなくてはならない。世論調査では確かにジョンソン氏の保守党が労働党をリードしている。しかし、今ではEU残留を望む声が優勢だ。しかも、その割合は2016年の国民投票で示された「離脱支持」よりも大きくなっている。

そう聞けば、EUの幹部は冷笑の一つも浮かべたくなるだろう。だが、ここはぐっと気を引き締めるべきだ。というのも、EUの最大の敵はEU懐疑派ではなく、一般に広がる無関心だからである。

英国では16年の国民投票より前に行われた世論調査でも、残留支持が多数となる傾向が強かった。とはいえ、世論調査は別の現実も浮き彫りにしていた。国民の多くが「EUなんか別にどうなっても構わない」と考えていたことだ。EU離脱の是非は、はっきり言えば、普通の有権者にとってはどうでもいい問題だったのである。