有料会員限定

営業CFのマイナスには要注意、黒字の裏に潜在リスク 危うい会社5|「アクルーアル」が大きい

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 最新
拡大
縮小

各社の事業特性が大きく影響するとはいえ、潜在的なリスクが浮かび上がる。

海外プラント建設での資機材購入立て替え金で、日揮は直近5期累計営業CFがマイナスに(撮影:尾形文繁)

特集「最新! 危うい会社リスト」の他の記事を読む

不透明な会計処理や粉飾決算を見抜くために用いられるのが「アクルーアル」という指標だ。純利益から、本業で稼いだ現金を示す営業キャッシュフロー(以下CF)を引いて算出する。同数値がプラスの値で多額であればあるほど現金収入を伴わない、もしくは現金収入が遅れているのに利益を上げている会社となる。

本誌では5期累計の営業CFがマイナスの会社に絞り、アクルーアルの大きさでランキングした(下表)。東証の業種分類を基に、金融や不動産など営業CFが先行する業態は除外している。不動産業や金融業を行っていても、不動産や金融に業種分類されていない会社はランキングの対象とした。

ワーストは日揮ホールディングス。過去5期累計の純利益は818億円なのに、同期間の営業CFは1996億円のマイナスだ。

日揮は立て替え金が影響

日揮によれば、これは「特殊要因によるもの」(カギカッコは会社側の主張。以下同)だという。

アルジェリアのプラント建設(3件で計2000億円)で、本来は顧客が払うべきプラント資機材の購入代金を日揮が立て替え続けてきた。豪州では現地建設会社が払うべき工事遅延の追加費用を立て替えている。立て替えは複数期にまたがり、営業CFが大きくマイナスになったのだそうだ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
最新! 危うい会社リスト
虚構だった独自のビジネスモデル
危うい会社7|行き詰まるビジネスモデル
債務超過1000億円、「疑義注記」の最大手
危うい会社6|疑義注記&重要事象
信用調査のプロは危険な兆候を見逃さない
第三者割当増資を悪用
危うい会社5|「アクルーアル」が大きい
危うい会社4|アクティビストに狙われる
本当のトップは誰なのか
トップが会社を追われる日
危うい会社3|トップの信任が急落
3期連続赤字に沈む名門企業
危うい会社2|終わらない連続赤字
プロが教える「危うい会社」の見分け方
危うい会社1|積極投資で資産膨張
最新! 危うい会社リスト
7つの指標で徹底解析
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内