堀川政司(ほりかわ まさし)/1958年生まれ。1977年ツルハ入社。1997年に同社取締役、2004年に常務取締役。2014年からツルハホールディングスの代表取締役社長兼社長執行役員(現職)

ドラッグストア業界で売上高首位を走るツルハホールディングス(HD)。GMS(総合スーパー)最大手・イオンのグループ会社(出資比率12.8%)で、北海道を地盤に東北から九州まで全国に2081店舗を展開する(2019年8月時点)。食品販売や化粧品の対面販売の強化、そしてPB(プライベートブランド)の育成などが奏功し、2019年5月期は売上高7824億円(前期比16.2%増)、営業利益418億円(同4.0%増)と、業績好調をキープする。

17年に杏林堂HDや18年にビー・アンド・ディーHDなどの買収を進め、18年に売上高でウエルシアHDを抜き、業界トップに立った。とはいえ、経営統合に向けて協議を進めるマツキヨHDとココカラファインの大型連合が誕生すれば、業界首位の座が入れ替わることになる。ツルハは今後、どのような戦略で挑むのか。同社の堀川政司社長を直撃した。

3グループぐらいに集約されていく

――業界再編の機運が高まっています。

ドラッグストア業界は数年以内には、3社ぐらいまで統合が進んでいくだろう。ドラッグストア以外の業態でも、例えばスーパーマーケットや家電量販店、ホームセンターなどで統廃合があった。ドラッグストアはまだ10グループぐらいが緩やかな連携をしている状況だ。あくまで個人的見解だが、3グループぐらいに集約されていくとみている。

――これまでの再編とはどう違うのでしょうか。

今までは、規模の大小でいえば、大が小を取るM&A(企業の合併・買収)だった。つまり、大手企業が中・小規模企業を買収していた。だが、これからは大手企業が同じく大手を買収していく。大きいところが大きいところと組んで、グループが集約されていくのではないか。

ツルハに限った話をすれば、M&Aの提案が絶えない。実感としては、今まで以上のスピードで統廃合が進んでいくように感じている。

――ドラッグストア業界は寡占化が進んできたとはいえ、これまでそれほどのスピード感はありませんでした。

儲かっていたからね。そこそこ。地元を地盤にして、堅実に経営していたドラッグストアが多かった。ただ、近年は地方にも、大手のドラッグストアが進出している。ツルハは北海道を地盤にしているが、東北に進出して、東北から関東に、そして関西、中・四国、九州まで店舗を広げていった。こうなってくると、地方のドラッグストアは経営が厳しくなっていくだろう。

M&Aは1+1=3以上を狙う

――マツキヨ・ココカラ連合のように、ツルハがほかの大手と統合することはありますか。

可能性はゼロではない。ご縁があれば、だけどね。どれぐらいの可能性があるかは、答えられないけど(笑)。

北海道・札幌の本社に隣接するツルハの店舗(記者撮影)

――M&Aの際の方針として大事なことは?

経営理念はそれぞれの企業にあるが、M&Aの際には、企業間の志が同じであることが大切だ。例えば、お客さんのためによいサービスを提供して、よい接客をして、その地域でナンバーワンになり、ゆくゆくは日本で1番になる。こういった思いを共有できないと、1+1=2、または2未満で終わってしまう。ツルハは1+1=3以上を狙う。

だからこそ、救済合併はしない。救済合併をすると、赤字会社に引っ張られてしまう。

また、ツルハは企業を買収しても、買収先の看板を変えることはしない。約10年前に譲受した会社の看板をツルハに変えたことがあったが、見事に売り上げが減った。その地域でツルハのネームバリューがなかったからだ。品ぞろえも変えた。POS(販売時点情報管理)システムのデータを見て、売れていないと思ってカットした商品もあるのだが、その、店頭に置くのをやめた商品を目当てにしていたお客さんも多かった。そうすると店がきれいになってもお客さんは来ない。それ以来、看板替えや品ぞろえの極端な変更はしていない。

――買収する会社に求めている基準は何でしょうか。