奥東京人に会いに行く(大石 始 著/晶文社/1700円+税/262ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
[Profile] おおいし・はじめ/1975年東京都生まれ。武蔵野美術大学映像学科卒業後、レコード店店主などを経て音楽雑誌編集部に在籍。約1年間の海外放浪ののち、2008年からフリーランスのライターとして活動。旅と祭りの編集プロダクション「B.O.N」主宰。

私たちは東京のことを知っているようで、実は何も知らないのかもしれない。吉祥寺に住む著者がそのことを実感したのは、ある新聞記事を目にしたときだった。井の頭公園の入り口に「いせや」という有名な焼き鳥店がある。2012年、建て替えのため店を取り壊したところ、跡地からなんと約1万5000年前の「焼き場」が見つかった。どうやら旧石器時代の人々も、同じ場所でこんがり焼けた動物の肉に舌鼓を打っていたらしい。

見慣れた景色に旧石器時代が重ね合わせられると、ありふれた日常が突如ドラマチックなものに変わる。街がこれまで見せたことのない顔を見せる。そんな体験をしたことで著者は自分の知らない東京の奥、「奥東京」をもっと覗いてみたくなった。そして東京の端っこを訪ねる旅に出る。それは東京の「山」「川」「海」「島」を巡る旅になった。