前回は和歌山県の和歌山市を取り上げたが、徳川御三家といえば紀伊、尾張、そして水戸だ。水戸市は茨城県の県央部に位置する県庁所在地で、人口は26万9000人を擁する。東京からは意外に近く、東京駅から特急なら1時間15分ほどで着く。常磐自動車道にも水戸インターチェンジがあり、車でのアクセスも悪くない。

だがこの街の印象となると、首都圏に住む人間にとっても希薄である。水戸には製造業などの目立った第2次産業が存在せず、商業都市としてのイメージが強い。だが、かつては駅前に多く立地していた大型の百貨店や商業施設はほかの地方都市同様、近年その多くが閉店や撤退に追い込まれている。水戸駅に降り立っても、ペデストリアンデッキに立つ、助さん格さんを従えた水戸黄門像が目に飛び込んでくる以外、水戸を象徴するような施設は見当たらない。