全国で約2400万件の利用があるとされるLPガス。1件ずつ検針員が足を運んで行われている検針やメンテナンスに、静かな変化が起きている。カギとなるのが、メーターに取り付けられた弁当箱ほどの小さな箱だ。

中には小さめの電池と通信モジュールが入っており、ガスの使用量を1日1回、サーバーに送って管理する。集めた情報は、料金請求のほか、ボンベの交換時期予測、不具合の監視にも使われる。

「人手不足で検針員を確保することが難しくなってきた。採用に力を入れることも大事だが、人力に頼らない仕組みも必要だ」。NECと共同で今年9月まで実証実験を行ったLPガス卸大手ミツウロコクリエイティブソリューションズの永沼敬取締役はそう語る。

LPガスは検針員が月に1度、実際にメーターを確認しに回らなければいけないほか、年に数回は配送員が空になったボンベを交換しなくてはならない。検針時に残量を確認して、空になるタイミングを予測するが、月に1度の検針では精度の高い予測は難しい。使用量の急激な変化もつかめないため、ガス切れを避けるために早めの交換が必要だった。毎日検針すればボンベを残量ぎりぎりまで使用でき、交換の頻度を下げることが可能になる。

さらに、人手不足が深刻化する中、検針員や配送員の負担への配慮も必要だ。雪の日や猛暑の日も重いボンベを運ばなくてはならないが、若者の確保は難しくなってきている。「少しでも作業量を減らしたいというのは業界全体の認識」(永沼氏)だ。