週刊東洋経済 2019年12/7号
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「平和は単に戦争がないことでもなく、絶えず建設されるもの」。2019年11月に38年ぶりに訪日したローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は核兵器・核戦争の廃絶を訴えながら、そう述べた。世界三大宗教の1つであるキリスト教、中でもカトリック教会のトップがなぜ日本に来て発言したのか。

教皇の「フランシスコ」は、自然を愛した守護聖人に由来する。人類と自然環境を根こそぎ破壊する核兵器・戦争の廃絶を強く訴えるのも、教皇自身の名前と信念から来ている。だからこそ、被爆地である長崎と広島を訪れ、平和を訴えたのだろう。

フランシスコ教皇はまた、「相互の違いを認め互いを保証する兄弟愛」をも訴えた。世界には自分たちとはまったく違う社会や考え方を持つ人々がいる。違うからといってそれを知ろうとせず、知ったふりをして偏見に満ちた考え方に染まってしまうことがある。フェイクニュースが蔓延する現在だからこそ、自身の目で見て考える習慣が欠かせない。

世界への想像力を高めるのに最適なのが歴史だ。国家、政治、経済、社会、文化のありようをたどることで現在と過去の連続性を理解できる。違う文化、違う民族の歴史を知ることで、世界はより身近になる。

もう1つ世界を深く理解するのに好適なのが宗教だ。人間の内面を照らし、信条や思想を形づくる宗教への理解は、グローバル化の時代だからこそ必要になる。

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