通算在職日数が桂太郎元首相を抜き憲政史上最長となり、参院本会議に向かう安倍晋三首相(毎日新聞社/ アフロ)

安倍晋三首相は11月20日、首相の在職日数が通算2887日に達し、明治、大正2代にわたって首相を3回務めた桂太郎を抜き、初代首相の伊藤博文以降で憲政史上最長となった。

来年8月まで政権を維持すれば、安倍首相の大叔父、佐藤栄作元首相が持つ連続在職日数の2798日も超える。首相在職日数(長さ)の観点からすれば、「大宰相」として今後の歴史教科書に記述されてしかるべきだろう。

では、首相在任中のレガシー(歴史的業績)という点で見ると、具体的に何が挙げられるのだろうか。本稿では、安倍氏と同郷・長州(山口県)出身の山県有朋、桂太郎との比較考証を行うことで、その解を求めてみたい。

「桂太郎さんどんな人─安倍首相が在職最長記録更新、同郷の元首相─日英同盟・日露戦争後に退陣・調整型“ニコポン宰相”」──。安倍氏が在職最長となった当日の朝日新聞の見出しである。「安倍首相と対照」の小見出しが付いた同紙記事を少々長いが引用する。

《学習院大学の千葉功教授(日本近代史)は「桂と安倍氏の政治手法は対照的だ」と指摘する。桂は、ニコニコと笑って背中をポンとたたき、相手を説き伏せて、丸め込む。桂が得意とする手法で「ニコポン宰相」と呼ばれた。……千葉教授は「桂は調整型の政治家。当時は議院内閣制でないため、内閣の力が弱かった。……政権維持のためにも、協調主義的な政治手法を行う必要があった」と話す。