太陽光や風力など再生可能エネルギーからつくられた電力を単に売るのではなく、「産地が見える」など、新たな価値を伴った形で取引できないか──。そんなユニークな発想を持つ企業による次世代型の電力ビジネスが次々と生まれている。

「天候によって発電量が左右されるなど、安定性を欠く再エネは“甘えん坊の末っ子”に例えられてきた。その再エネは遠くない将来、最もコストが低い電源になる。これをうまく操ることができたプレーヤーがビジネスの勝者になる」。デジタル技術を用いた電力取引に詳しい東京大学大学院の田中謙司准教授は、電力ビジネスの未来をこう予測する。

陸奥湾に臨む青森県横浜町で9月5日、同町と神奈川県横浜市の連携協定に基づく再エネ電力受給開始の記念式典が開催された。

人口4500人弱の横浜町で稼働している風力発電施設(上写真)でつくられた電力を、人口約370万人の大都市である横浜市内の企業などに供給することが決まったのだ。

青森県横浜町と横浜市は再エネ電力で連携(9月5日の受給開始式)

横浜港に浮かぶ博物館船の氷川丸、市内の銀行や学校の建物、地場の印刷会社など横浜市内6カ所に、「横浜つながり」(野坂充・横浜町長)で“横浜町産”の電力が送られ始めた。