トランプ米大統領が2020年大統領選挙の民主党有力候補、バイデン元副大統領の汚職を暴くようウクライナの大統領に圧力をかけたとされるウクライナ疑惑。聴聞会でトランプ氏に不利な証言が積み上がった最大の理由は、高官たちがホワイトハウスの命令に背いて証言に応じた点にある。近年では例を見ない出来事だ。多くは外交官で、中には聴聞会に出るために職を辞した官僚もいる。

トランプ氏は政権を運営するということがどういうことかまるでわかっておらず、大統領就任当初から実務を取り仕切る公務員を攻撃してきた。大きなミスだ。役人には民間で働けば大金を稼げる人材が少なくないが、彼らは公共に奉仕する名誉のために働いている。トランプ氏はそうした官僚の矜持を見くびっていたか、はなから理解できなかったのである。

トランプ氏は影のチームを作り、独断で外交を進めたことで問題をいっそう大きくした。影のチームを率いるのは、もはや奇妙なまでに制御不能となったジュリアーニ元ニューヨーク市長だ。市長として称賛された同氏も、今ではトランプ氏の顧問弁護士として各方面でトラブルを巻き起こしている。