ささき・とおる 2015年6月から現職。03年4月からJPモルガン・チェース銀行でFXストラテジストとして金融市場を調査・分析。その前は日本銀行に勤務、調査統計局などを経て、国際局(当時)為替課で為替市場介入を担当、ニューヨークで米国金融市場分析も担当した。(撮影:今 祥雄)

FRB(米連邦準備制度理事会)は2015年12月から昨年12月までの3年間で合計9回、2.25%ポイントの利上げを行った後、今年7月には逆に利下げを開始し、9月、10月と合計3回、0.75%ポイントの引き下げを実施した。

米国経済はそれほど悪化しているわけでもなく、失業率は数十年ぶりの低水準で推移している。こうした中での利下げは、トランプ大統領からのプレッシャーに屈したようにも見える。

もっとも、製造業を中心に景況感が悪化しているのも事実で、米国債において、短期の金利が長期の金利を上回る逆イールドが一時出現するなど、先行き景気後退局面に入る懸念もないわけではない。米中通商摩擦がマクロ経済に与える影響も心配されている。したがって、今年に入ってからの利下げは「予防的利下げ」とされてきた。