10月10日、グループの構造改革を発表する井阪隆一セブン&アイ・ホールディングス社長。ただ、その内容には“勇み足”の部分があった(撮影:今井康一)

「井阪(隆一セブン&アイ・ホールディングス)社長は、なぜ言い切ってしまったのか。普通、組合に相談してから言うだろう。あれがすべての間違いだった」

10月10日、セブン&アイ傘下の総合スーパー、イトーヨーカ堂の幹部はこう語った。

この日は、2020年2月期第2四半期の決算発表日。過去最高益だったにもかかわらず、井阪社長の表情は険しかった。決算と併せて、グループ戦略に関する「構造改革」を打ち出したからだ。

下の表を見ていただきたい。これは構造改革の概要をまとめたものだ。

まず、不振にあえぐヨーカ堂。既存の158店のうち不採算の33店について、グループ内外との連携か、できなければ閉店を模索する。食品を中心に展開する22店も分社化を検討。その結果として、正社員約1700人を削減する方針だ。

同様に苦しい百貨店のそごう・西武についても、15店のうち、西武大津店など5店を閉鎖、2店については面積を縮小し、1300人を削減するとしている。

市場から長らく改革を求められていた井阪社長にとっては、満を持した改革案。ただ、社内ではヨーカ堂について、儲かっている首都圏のみを残し、地方店は分社化して地方の有力スーパーと連携、もしくは店舗の譲渡といった抜本策も検討されていた。それに比べ、発表された内容は社員にとって“優しい”ものだった。