(Fast&Slow / PIXTA)

あらゆる産業で、人工知能(AI)やITの活用が広がり、専門性が高い理系人材の需要が急増している。これまで文系中心に採用していた企業も、論理的思考力を求めて理系採用を増やしており、人材の獲得競争が激しくなっている。

では企業の採用担当者は、理系学生に何を求めているのか。今回、製造、金融、ITなど5業種の現役人事担当者に話を聞いた(個別に行ったインタビューを座談会形式に構成)。

Aさん…種苗メーカー・人事担当
 Bさん…機械部品メーカー・人事担当
 Cさん…IT企業・人事担当役員
 Dさん…商社・人事担当
 Eさん…銀行・人事担当

会社でやることは違う

──理系の中でもどのような学部・学科の人材を狙っていますか。

Aさん とくに絞ってはいないが、農学部と理学部の2つの流れがある。うちの会社の花形は、改良品種を作り出す「育種」。大学で育種学を専攻することが王道だが、土壌学や気象学といった異なる分野を専攻した人もいる。

共通点は、大学できちんと物事に向き合ってきたかという点。大学で学んだことと、会社でやることはまったく違う。目の前の仕事に没頭でき、新しいことを取り入れる柔軟性があることが大切だ。文系が研究職を受けたこともあるが、採用に至ったケースはない。

Bさん うちは機械系、電気・電子系といった工学系が最優先。潤滑剤などを分析する化学、プログラムを作る情報系も採用している。

ものづくりの会社なので、これまで大学で学んできたことをさらに深めて「こんな製品を作りたい」という人を求めている。

一方、情報系学部の人気に押されて、機械工学系学部を選択する学生が減ってきている。工学系だけでは学生を集めきれない面もあり、物理など別の分野を専攻している人も選択肢に入れている。もっと言えば、文系でもものづくりが好きという人も歓迎したい。

Cさん 文系、理系は問わないし、学部・学科を絞り込むこともしていないが、「Java」などのプログラミング言語を扱うので、情報学系や数学系の卒業生が多い。たくさん言語を書くという仕事のイメージがわかったうえで「それでもこの仕事に就きたい」という覚悟を感じるので、大学でプログラミングを学んできた人のポイントは高い。ただ、学生のときに学んだことがすぐに仕事で通用するわけではなく、入社後は全員にプログラミング言語の研修を受けてもらっている。