やまぎわ・じゅいち 1952年生まれ、87年京都大学理学博士。京都大学大学院理学研究科長・理学部長などを経て2014年から京都大学総長。17年から現職。専門は霊長類学(ゴリラ研究)。(撮影:今井康一)

世界大学ランキングに見られるように、研究力の低下が叫ばれる日本の大学。日本の研究界の代表機関である日本学術会議の山極壽一会長に、大学の研究力をどう捉えているのか聞いた。

──世界における日本の理系大学のポジションをどう見ていますか。

世界で有名な研究型の理系大学といえば、米マサチューセッツ工科大学(MIT)や独カールスルーエ工科大学(KIT)、独ミュンヘン工科大学などだ。これらはSTEAM(「Science(科学)」「Technology(技術)」「Engineering(工学)」「Art(芸術)」「Mathematics(数学)」)と呼ばれる理系、芸術の分野だけでなく人文科学や社会科学も教養あるいは専門教育として教えている。理系の学問を研究するには総合的な知識も必要だ。

日本でも東京大学や東北大学、京都大学など、理系の研究が進んでいる総合大学は人文社会系の学問を軽視していない。とくに東京工業大学は教養科目でしっかり人文社会系を教えることで有名だ。

──なぜ理系の研究が進んでいる大学は人文社会系の学問も重視するのでしょうか。