次世代決済技術を米国が独占的に取り締まることはできない──。フェイスブックの最高経営責任者、ザッカーバーグ氏は米議会でそう証言したが、この指摘は少なくとも半分は当たっている。ただ、中国が今にも国家主導でデジタル通貨を立ち上げ、ドルの覇権が揺らぐとほのめかしたのは行き過ぎだったのではないか。

「皆さんはフェイスブックが計画するデジタル通貨リブラがお嫌いかもしれない。それでも中国に覇権を握られるよりましでは?」同氏はそう言いたかったのだろうが、中国がデジタル通貨を発行するようになっても、ドル支配は簡単には崩れない。

ともかく、合法的な表の経済ではそうなる。ドル決済の大半は適法に行われ、当局の監視も行き届いている。事実、米国の規制は強力で、ドルを扱う金融機関なら拠点が海外であっても米国の規制に縛られる。ドル市場が圧倒的な規模と流動性を誇っているのは、こうした「法の支配」に支えられているからにほかならない。