「わが家にも、天然ガスが来ることになったのよ」

筆者が小学生だった時分、都市ガスの原料が天然ガスに切り替わると母親が喜んでいた記憶が、頭の片隅に残っている。当時、詳しい理由は知らなかったが、LNG(液化天然ガス)の輸入開始から50年の節目に、天然ガスの歴史を調べてみて、公害問題克服への働きやエネルギー安定供給をはじめとした功績の大きさに驚いた。

天然ガスには、優れた特長がいくつもある。①石炭や石油を原料として製造された都市ガスと比べて熱量が2倍以上で、輸送効率が高い、②ガス中毒の原因となる一酸化炭素が含まれておらず危険性が小さい、③大気汚染物質である硫黄酸化物が製造時に取り除かれており、窒素酸化物は燃焼時の排出量が少ない、④燃焼時の二酸化炭素排出量は石炭の約半分にとどまる、といったものだ。