ヤフー時代とは異なりスーツ姿。副都知事として忙しい日々を送っている(撮影:今井康一)
「爆速」をキャッチフレーズにヤフー(現Zホールディングス)の社長を6年務め、その後は投資子会社・Zコーポレーションで新領域の事業創出を率いてきた宮坂学氏。そんな宮坂氏が「次の道」として選んだのが行政の世界だった。
宮坂氏は今年7月、東京都参与に、同9月には猪瀬直樹氏以来となる民間出身の東京都副知事に就任した。来年に控える東京五輪の準備に加え、災害対応、働き方の刷新など新たな課題にも直面する東京都。宮坂氏に転身の理由と、今後の戦略を聞いた。
※本記事は週刊東洋経済11月23日号掲載「東京都の職員に最強の武器を授ける」のロングバージョンです。

 

──行政に飛び込んだ理由は?

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本記事は11月23日号掲載の4ページインタビュー「東京都の職員に最強の武器を授ける」のロングバージョンです

ヤフーの社長を退任し、Zコーポで何をやろうかと考えて。ヤフーや(その親会社である)ソフトバンクがすでに手がけている事業領域だと、ぶつかってしまう。でもあのグループって本当に何でもやっているので、残っているものがないんですよ(笑)。

結果的に思いついたのが、仮想通貨や、ライドシェアの中でもマイクロモビリティ(自転車や電動キックボード)の領域、この2つくらいだった。

それで、まずモビリティのほうに。中国では歩道のどこでも乗り捨てOKというモデルで展開されているけど、日本だと道も狭いし、そうはいかない。ちゃんと土地を持っている人と契約して、ポートを設置するモデルがいいでしょうと。で、駅前とかバス停とか、いちばんポートを置きたい場所を管理している売り込み先として、自治体と関わる機会が増えた。

実は仮想通貨の分野でも、やってみたいテーマとして定めたのが、地域コミュニティーを活性化できるような地域通貨だった。偶然だけど、どちらの事業も「地域」と密接なものだったわけです。

これらの事業を実現するために日本中の自治体を回ったが、そのうちの1つが東京都。小池百合子知事に直接プレゼンする機会もあり、それをきっかけに「東京都はどんなふうにデジタルシフトしたらいいと思うか、一度職員向けの研修会で話してほしい」と要請を受けた。その内容が非常に評判よかったようで、もっと都の運営にがっつり関わってほしいと、参与就任の話をいただきました。