
──行政に飛び込んだ理由は?

ヤフーの社長を退任し、Zコーポで何をやろうかと考えて。ヤフーや(その親会社である)ソフトバンクがすでに手がけている事業領域だと、ぶつかってしまう。でもあのグループって本当に何でもやっているので、残っているものがないんですよ(笑)。
結果的に思いついたのが、仮想通貨や、ライドシェアの中でもマイクロモビリティ(自転車や電動キックボード)の領域、この2つくらいだった。
それで、まずモビリティのほうに。中国では歩道のどこでも乗り捨てOKというモデルで展開されているけど、日本だと道も狭いし、そうはいかない。ちゃんと土地を持っている人と契約して、ポートを設置するモデルがいいでしょうと。で、駅前とかバス停とか、いちばんポートを置きたい場所を管理している売り込み先として、自治体と関わる機会が増えた。
実は仮想通貨の分野でも、やってみたいテーマとして定めたのが、地域コミュニティーを活性化できるような地域通貨だった。偶然だけど、どちらの事業も「地域」と密接なものだったわけです。
これらの事業を実現するために日本中の自治体を回ったが、そのうちの1つが東京都。小池百合子知事に直接プレゼンする機会もあり、それをきっかけに「東京都はどんなふうにデジタルシフトしたらいいと思うか、一度職員向けの研修会で話してほしい」と要請を受けた。その内容が非常に評判よかったようで、もっと都の運営にがっつり関わってほしいと、参与就任の話をいただきました。