アップルの新商品が出ると、発売日に購入し、パッケージを開封する様子をブログや動画で公開する人たちがいる。これは「開封の儀」と呼ばれる。ファンにとって、開封はある種の儀式なのだ。同社のWWDC(ワールド・ワイド・デペロッパーズ・カンファレンス)でのCEO(最高経営責任者)や幹部の基調講演では、数々の新商品がお披露目されてきた。「最後にもう1つ」とサプライズ発表をする定番の演出は有名だ。このイベントも、非常に儀式じみている。

アップルやスターバックス、ハーレーダビッドソンなどのブランドは、ファンにとって特別な意味を持っている。休日にスターバックスでラテを飲みながら読書をするのが私の人生だ、と言い切る人もいる。彼らにはスターバックスは人生の一部なのだ。このような「特別な意味を持つ消費」を、アメリカ人の学者ラッセル・ベルクらが考案した、神聖な(Sacred)消費という概念と関連付けて考えてみたい。対照的に、例えば単に時間を潰したり喉の渇きを癒やしたりするためにコーヒーストアに入るような消費は、世俗的な(profane)消費と考えられる。