英オックスフォード大学教授 苅谷剛彦(かりや・たけひこ)1955年生まれ。米ノースウェスタン大学大学院博士課程修了、博士(社会学)。東京大学大学院教育学研究科助教授、同教授を経て2008年から現職。著書に『階層化日本と教育危機』『増補 教育の世紀:大衆教育社会の源流』『教育と平等』など。(撮影:尾形文繁)

ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会が盛り上がりを見せた。ラグビーファンが街にあふれ、テレビの視聴率も上々だったと聞く。ラグビー発祥の国・英国でも、メディアが日本チームの活躍をたたえ、W杯を広く報道した。私もBBC(英国放送協会)からラジオの取材を受けたくらいだ。

取材は、今回のW杯が日本社会のどのような特徴を示しているかという質問で始まった。日本でも報道されたが、今回の日本チームの特色は、外国人選手を含めた「多様性」にある点をまずは指摘した。そこに現在の日本社会が投影されているともコメントした。

他国のチームにも外国人選手はいるが、日本の場合、外見の違いや日本社会にまだ残る単一民族神話や同質性社会といったイメージから、多様性がいっそう目立つ。それが功を奏した結果に、ある人々は多様性を許容する日本の未来に好意を持ったりもした。