2018年の世界のインターネット広告費はついにテレビ広告費を抜き、全広告費の約4割を占めるに至った。電通イージス・ネットワークが19年6月に発表したこのデータは、インターネット広告関係者に特別な感慨をもたらした。誰もがテレビという巨人を仰ぎ、いつか追い越す日に思いをはせ仕事をしてきたからだ。電通の「2018年 日本の広告費」でも、インターネット広告費はテレビ広告費にほぼ並んだ。19年に逆転するのはまず確実だ。

だが、10年前に想像していたほどには、この事実に浮かれられなかった関係者も多いだろう。インターネット広告が抱える問題も、ここ数年で浮き彫りになってきたからだ。19年4月、全米広告主協会のメディアコンファレンスで、P&Gのブランド責任者・マーク・プリチャードは、現在のインターネット広告を強く非難した。「われわれはあまりにも長い間、寛容でありすぎた」。品質、公序良俗、透明性、プライバシー、コントロールが担保された、新しいメディア供給の仕組みをつくるべきだ。彼は広告主やメディア関係者にそう訴えた。その前年には、インターネット広告予算の2億ドル削減を明らかにした。前述のリクエストに既存のインターネットメディアが応えられていないことへの「ノー」のジェスチャーだった。