米下院の公聴会に出席したザッカーバーグCEO。「新しい挑戦をしていくことは重要」と強調したが、リブラの運用開始は前途多難だ(UPI/アフロ)

デジタル通貨「リブラ」構想が強烈な逆風にさらされている。「本当に立ち上がり、機能するかわからない」──。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは、10月23日に行われた米下院公聴会でそう語った。

フェイスブックがリブラ構想を発表したのは6月18日。最大の特徴は、通貨や国債といった裏付け資産を持つ「ステーブルコイン」であること。ビットコインのような、裏付け資産を持たず価格が乱高下する従来の仮想通貨が抱える弱点を克服し、世界的な決済インフラにすることを狙った。

実用化されればフェイスブックを利用している約27億人が潜在的なユーザーとなる。また、運営主体となる「リブラ協会」に国際的企業が名を連ねたことも注目を集めた。

だが、法定通貨を代替しうる新たな通貨プロジェクトと見なされ、たちまち各国政府や規制当局から目の敵にされてしまった。ザッカーバーグ氏は10月23日の公聴会で、「米国の規制当局の懸念が完全に解消されるまで、立ち上げを遅らせる」と明言。7月に米両院で行われた公聴会でフェイスブック幹部のデビッド・マーカス氏が、「適切な承認が下りるまでサービスを開始しない」と述べていたが、今回改めて延期を認めた格好だ。

リブラが既存の金融規制をクリアしても、「なお懸念がある」と当局から言われると、見切り発車はできない。「2020年半ば」としているリブラ発行はまず無理だろう。