就職ポータルサイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアが、学生の就職活動(以下、就活)のデータを基に予測した「内定を辞退する確率」を、本人の十分な同意を得ずに、企業に販売していたことが発覚し大きな問題となった。

同社は「販売先の企業は予測データを合否判定に利用しないことに同意している」と釈明したが、内定辞退率は合否の最終決定に影響を与えうる極めてセンシティブな情報である。個人情報保護の観点から、今回のリクルートキャリアの行為は強い非難を受けるべきであり、その点に関して議論の余地はない。

一方、プラットフォームが参加者の行動に関する予測データを提供すること自体には、大きな可能性がある。適切なルールに基づいていれば、内定辞退率の提供は新卒採用の市場を大きく効率化し、企業・学生ともに幸福にできるかもしれないのだ。

日本における就活、とりわけ新卒採用の現場は、極めて摩擦の大きいマッチング市場である。リクナビやマイナビといった大手の就活ポータルサイトには、100万人近い学生と数万社の企業が登録している。

就活の開始時点では、企業にはそれぞれの学生の性格・能力・志望度がわからない。選考にかかるコストは甚大でありながら、内定を出しても断られてしまえば、かけたコストは無駄になる。企業にとっては、選考対象の学生が本当に入社するかどうかの判断、つまり内定辞退率の見極めが重要なのだ。