有料会員限定

日本の「大甘検査」とは大違い、厳格化する空港の保安検査 海外は高速鉄道での検査も「常識」に

✎ 1〜 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 最新
拡大
縮小

鉄道でも手荷物検査を行う動き。最も厳しいのは中国だ。

スペインは各地で独立運動が活発で、空港の保安検査も他国より厳しい(AFP=時事)

特集「新幹線 vs. エアライン」の他の記事を読む

世界のあちこちで凄惨なテロ事件が起こる中、空港の保安検査は、年を追うごとに厳格さが増している。

日本の保安検査場では、空港係員が丁寧な言葉で案内をしてくれたり、かごからはみ出した上着の上にわざわざ別のかごをかぶせてくれたりと、ほかの国ではとても考えられない「思いやり」のある対応をしてくれる。

一方、海外の空港ではどうだろうか。例えば英国の空港では、「上着を脱げ、ベルトを外せ、靴を脱げ」と命令口調で指示される。そのうえ、全身スキャンをする筒状の検査機が一般化し、「両腕を広げて3秒間待て」というスタイルの検査も珍しくなくなった。非常に小さな金属のアクセサリーや液体の小瓶などを見つけられるこの検査機だが、性能が高すぎて、一時は「下着まで丸見えなのではないか」という論議もあった。とはいえ、航空機テロを「水際」で防ぐためには、乗客を犯人扱いするかのような厳しいチェックもやむをえないのかもしれない。

液体物チェックのルールが厳しいことは言うまでもない。国際的には「100ミリリットル以内の液体物で、容積1リットル以内のビニール袋に入るもの」のみ持ち込み可と決まっており、ペットボトルや缶の飲料などは持ち込めない。ところが、日本の国内線フライトでは、アルコール飲料も含め、5リットルまで持ち込んでいいルールとなっている。各地の空港で販売されている酒類を積極的に売りたいとか、機内でお弁当などを食べる乗客への便宜のためなのかもしれないが、国際基準とは懸け離れた「ローカルスタンダード」。海外旅行の際に没収されないよう、気をつける必要がある。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
新幹線 vs. エアライン
国際便の新規就航や増便に注力
JAL、ANAに続く第3の勢力
インタビュー/スカイマーク 社長 市江正彦
インタビュー/ジェットスター・ジャパン社長 片岡 優
海外は高速鉄道での検査も「常識」に
Part3 顧客囲い込みを急ぐエアライン|大手から4枠回収で政策枠は充実
数秒の積み重ねが、不可能を可能に
トンネルめぐりJR東海と静岡県が対立
インタビュー/静岡県知事 川勝平太
2度の乗り換えが必要に
Part2 新幹線が変える国土軸|東京─札幌「4時間半」実現への難所
新幹線と飛行機は「制服」も進化する
見栄えと機能性を同時に追求
利用客争奪戦にLCCも参入
新幹線のネット対応が不十分?
室内サービスではエアラインが一枚上手
東西で"次世代"新幹線が登場 「進化する乗り心地」の最前線
JR東日本とJR東海の秘密兵器
もはや「4時間の壁」は無意味
好立地なだけでなく豪華ラウンジも魅力に
Part1 空vs.陸 激戦の構図|新幹線「水没」で混乱
新幹線 vs. エアライン
国内交通の覇者はどっちだ?
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内