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福島県の工場が多数被災、供給網寸断の影響長引く 阿武隈川流域では台風19号により1.26万ヘクタールが浸水

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SUBARUは完成車生産停止。水害を想定したBCPの重要性が高まる。

台風19号による浸水面積が最も大きかったのは、福島県と宮城県を流れる阿武隈川の流域だ。今回の台風で浸水した2.3万ヘクタールのうち過半の1.26万ヘクタールを同流域が占める。中でも福島県郡山市にある郡山中央工業団地(下写真)では多くの企業が被災した(以下、状況は10月21日時点)。

パナソニックや幸楽苑ホールディングスなどの工場がある郡山中央工業団地は、大規模な浸水で多くの被害が出た(上写真:郡山市のホームページより 下写真:出所:国土地理院ウェブサイト)

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大手企業ではパナソニックの郡山工場。プリント基板の材料を生産している。正門ゲートが壊れ、工場内に浸水。被害状況は今なお確認中で、詳細はわかっていない。

ラーメンチェーンの幸楽苑ホールディングスの食材工場と本社もある。本社は浸水を免れたが、工場の電源施設が浸水し操業停止状態が続いている。同社のラーメン店は一時約150店が臨時休業となったが、小田原工場の増産などにより20日から順次再開。郡山工場が復旧し次第、全店通常営業に戻るが、その時期は見えていない。

1メートルの高低差で明暗

一方、同団地にあるカーナビ大手クラリオンの子会社工場は、15日夜から順次生産を再開し、21日には通常生産に戻った。氾濫した阿武隈川近くに位置する工場だが、他所より1メートルほど高い場所に立っていたためだ。2センチメートルほどの浸水はあったものの、設備に損傷はなかった。

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