(撮影:風間仁一郎)

「今になって、やっぱり豊田の名前がいいと思う」

豊田章男は、ルーツを大切にする。

「小さい頃は、名前が負担でした。小中学生の頃は、『どうせ社長の息子』『豊田の名前があるからできる』といわれ続け、自分自身を見てほしいと思っていました」

とは、彼の言葉で、次のように続く。

「ただ、今になって、『ほかの名前で人生をやり直しますか』といわれたら、やっぱりこの名前がいいと思います」

心境の変化には、人知れぬ葛藤があった。今の彼は、豊田の名前での人生を完全に受け入れ、肯定的に捉えている。

彼の人生には、望むと望まざるとにかかわらず、豊田の名前が大きな影響を与えてきた。彼を知るには、豊田家を知らなければならない。豊田家なくしてトヨタはなく、章男もない。そのルーツをたどってみよう。