右が牧野隆広社長、左は弟の和博施設長

「母親が通えるようなデイサービス施設をつくりたい」

ミライプロジェクトの牧野隆広社長が自身の出身地である名古屋市南区にデイサービス施設「ミライプロジェクト新瑞橋」を開業したきっかけは、父親が亡くなって一人暮らしをする母親の心配だった。

牧野社長は日本マイクロソフトなどを経て、ゲームアプリ等のベンチャー企業として知られるエイチームの株式上場を支えた取締役(10月25日付で退任)。しかし、高齢者を介護する環境にあまりにも課題が多いことに愕然とし、介護施設の開業・運営を支援する会社に勤めていた弟の和博氏(現施設長)と相談し、「最高のデイサービス施設をつくろう」と決意。2016年9月に開業した。

この施設の最大の特徴は1100坪の土地にデイサービスの施設のほか、98部屋の単身用賃貸マンションを併設したこと。「デイサービスは100%介護保険収入で成り立っており、収入が事実上、食堂と機能訓練用施設の面積で決まる。そうするとどうしてもほかのスペースを削りギリギリの設計にして、スタッフの待遇を落とさないと利益が出ない。この矛盾を脱するため、『マンションで黒字を上げデイサービスの赤字を補う』形にした」(牧野社長)。

マンション右奥がデイサービス施設

利益確保を優先しなかったため、定員を埋めることに奔走することはなかった。宣伝費はほぼゼロ。それでも口コミで「スタッフが明るくて、施設もきれい。通うことで元気になれる施設」という評判が広まり、半年ほど前からすべての曜日が定員の70人に到達。今はキャンセル待ち状態だ。

屋上には菜園も

施設の特徴は、散歩をするための階段、カラオケルーム、屋上の菜園などレクリエーション施設が豊富なこと。地域のケアマネジャーからも「比較的元気な高齢者に適した施設」と認識されており、利用者の要介護度の平均は1.7と低めだ。